背面液晶は構図決めの理想形

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最近、カメラを向けるときは背面液晶しか使わなくなった。ファインダーをのぞくことはほぼない。

一眼レフの登場に始まり、今のミラーレスのEVFに至るまで、ファインダーには「いったんのぞきこむと、ファインダーの外の世界が見えなくなる」という特徴がある。自分のフォトグラフィースタイルから言えば、これは致命的な欠陥である。私は、カメラを何かに向けたときからシャッターを切るまで、ずっと、自分の外側の世界との間に境界線を引きたくない。自分だけの写真の世界に没入したくないのだ。

絵を描く人は、よく、指を長方形にして構図を考える。このとき、指の枠の外側と内側は連続的につながっている。これが、私にとって、カメラを向けるときの理想的な状態である。

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国島 丈生
レンズの向こうの記憶

情報科学分野の大学教員。遠距離通勤の道すがら写真を撮る毎日。小さいカメラが好き。BSD/Mac/Ruby/Rails/Web/関数型言語/マークアップ言語/弦楽四重奏/ルネッサンス音楽/フェルメール/北欧デザイン/写真/組版/タイポグラフィ/浄書/中世文学/陶磁器/書